280人が本棚に入れています
本棚に追加
「ばか」
「あほ」
「まぬけ」
「とんま」
「宇宙のゴミ」
「宇宙のチリ」
これは子供のケンカではない。
いい歳した大人、28歳の男女のケンカである。
「ちび」
「でくのぼう」
「ぺちゃぱい」
「でかちん」
「…いや、でかちんって褒め言葉じゃないからね。勝手に照れないでよ。」
「えっ、そうなの?」
「…そうだよ。
…よっちんって、そういう感覚ちょっとずれてると思うよ。」
心底呆れた顔をしてよっちんを見た後、はぁー、と盛大なため息をついてこたつの上のたっぷり生クリームプリンの空に目をやった。
最後の一口、プリンと生クリームの比を3:1の絶妙な量で残してたのに。
「一口もらったぐらいで、そんなに怒んなよ。そもそも俺が買ってきたんだし。」
「うるさいっ。ただの一口じゃなくて最後の一口だったのに。
ばか、よっちんのばか。大嫌い。」
ふてくされてこたつに首までどっぷり潜り込む。
「ゆきんこの好きなロールケーキも買ってきてあるから機嫌治せよ。」
「えっ、ほんと!?」
こたつから飛びでて、目の前に出されたロールケーキに愛を叫ぶ。
「ラブっ!ロールケーキっ!」
「あと、ほら。パーフェクトなんちゃらの新刊。」
「えっー、なんでなんでっ!明日買いに行こうと思ってたのにっ。よっちん神っ!!大好き。」
「…さっき、嫌いって言ったのばっかのくせに。」
今後はよっちんが呆れた顔をして、私に盛大なため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!