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もしかして、スカートの中見られた…?
そんな私の心配をよそに主任は何事もなかったように自分のデスクに座りパソコンを立ちあげていた。
…よかった、見られてなかったんだ。
「岬さんはいつも朝が早いよね。」
パソコンに目を向けたまま主任が呟く。
夏の暑さが苦手で涼しいうちに出勤したくて、と答えた私に主任が意味あり気な笑顔を向けた。
「僕もこれからは毎朝早起きしようかな。」
ついつられて私まで笑顔を作ったものの言っている意味がわからず、んっ?と首を傾ける。
「清楚で可憐と評判の岬さんのセクシーショットが独り占めできるなんて、早起きは三文の得っていうけど本当だね。」
……や、や、やっぱりっ、
見られてたっっーー。
「し、主任っ、セクハラですっっ。」
「えっ、そうなの?偶然見えただけだけなんだけどな…。
でもどうせセクハラで訴えられるなら、ちゃんと自分の手でスカートを捲りあげたほうがいいな。」
な、なんて、ことを、言ってるの、この人はっ!?
私に爽やかな笑顔のまま爆弾発言をしたにも関わらず、涼しい顔でパソコンに向かい軽快な音を鳴らすこの主任は半年前に海外から数年の研修を経てこの事業部に配属になった青田裕人31歳。
爽やかな笑顔と物腰の柔らかな話し方、更に仕事もできるんだから当然ながら女子社員からの人気も高い。
私も、今さっきまでは素敵な大人の男性だと思ってました。
…が、
こんなこと言う人だったなんてっ。
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