青田主任×岬さん

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どこをどう戻って来たのかわからないまま、気づいた時には自分のデスクに力無く座っていた。 昼食にも姿を現さなかった私を心配した同僚達にも、具合が悪かったと嘘をつき就業時間まで極力誰とも関わらないようにし時間をやり過ごした。 「やだーっ、主任ってばーっ。はは。」 …昼休みのことを思い返して更に心にモヤモヤと霧がかかっていく中、楽しげに笑いながら主任の肩に触れる女子社員の姿が視界に映ってしまう。 そんな風に主任に触れる勇気もないくせに、資料を受け取る時に僅かにしか触れるしか私にはできないのに、自分以外の人が主任に自由に触れるのを見て醜いほどの嫉妬が心を支配していくのが情けなくて鼻の奥がツンと熱くなる。 コップに残っていたお酒をグっと喉に押し込み席を立って逃げるようにその場を離れる。 いつもより遥かに多い量のアルコールのせいでまともに歩くことすらできないまま、フラフラとおぼつかない足取りで人気のない位置に設置されたソファーに倒れ込むように座る。 …見ているだけで幸せ? …同じ空間にいられるだけで満足? そんな綺麗事を並べていたくせに、主任が誰かのものだとわかると自分の心にどんどんと自分勝手で浅ましい欲求が生まれていく。 あの人に触れたい。 私だけを見てほしい。 さっき我慢した涙が、溢れ出て一筋頬をつたう。 主任が手の届かない、遠くに行ってしまったような喪失感に襲われ胸が苦しくて潰れてしまいそうになる。
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