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空はふと違う子を見た。 山上と同じドアに入った子だ。 震えて、青ざめている。 (あ…数名生き残れるって言ってたな) しかし、空はあることに気が付いてしまった。 空は、慌ててあたりを見渡す。 (山崎達に気を取られて、皆気が付いていない) そう、空が見たものは血だ。 一緒にいた子は、慶介という子だ。 その慶介の制服に、血がついている。返り血のように、べったりと。 (なっなんで?!) 空はほかに山上と一緒のドアに入った子を探す。 いた。愛という子だ。愛の制服にも、 血。血。血。血。血。血。血。血。血。血。 (皆、気が付いて…) その血に、気が付いているのは空だけだ。 他に数人血が付いている子がいた。 そのすべて、山上と一緒のドアに入った子だ。 (どっどうして――?) 空は少しくらっとした。 その瞬間、 『皆さん、生き残ったようですね…おや?生き残ったのになぜ泣いているのですか?喜べばよろしいのに…』
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