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それから、数時間後
剛が重要参考人として警察署の取調室に連れて来られた。
「亜弥とは付き合っていましたが、私は殺していないし、そもそも昨夜は亜弥の所には行っていません。」
「嘘を付くな!、お前が昨夜、高城の家に入ったのを見た人がいるし、写真だってここにあるんだぞ!」
写真を突き付けられて、剛は白状した。
「殺すつもりは無かった、本当だ、
妻の事で言い合いになって、
ちょっと突飛ばしたらテーブルにあった置物が彼女の頭上に、
それで彼女が動かなくなって…、
まさか死ぬとは思わなかったんだ!」
「それで、どうしたんだ」
「怖くなって、すぐに裏口から逃げたよ。」
「凶器の置物は何処に捨てたんだ」
「いや、すぐに逃げたから置物はそのままに」
「現場に置物は無かったぞ!
お前以外に誰が捨てたと言うんだ!」
その時、取調室に若い警官が来て、滝刑事に耳打ちをした。
「お前の家の書斎から血の付いた置物と血が付いた茶色のコートが出てきたそうだ。」
「そんな嘘だ、確かに私は置物をそのままにした、
それに茶色のコートは家に入った時に亜弥に渡したから亜弥の家のクローゼットにあるはずだ!」
「まだ、嘘を付く気か!
いいか、お前は昨夜、彼女と言い合いになりテーブルにあった置物で殴り、
更に止めをさして、裏口から逃げた、そして凶器を隠して歩いた為にコートに血が付いた、そうだろ!」
「違いますよ、刑事さん、信じて下さい、私は」
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