曲がり角に消える 真相編

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その時、事務所のドアを開け、滝刑事が来た。 「唐津先生、言われた通りの物です、確かに有りました。」 「ありがとうございます、滝刑事」 それは、スクールバックだった。 「すみませんが剛さんに許可をとりお宅から持ち出させました。」 「これのどこが僕が犯人だと言う、証拠なんですか?」 「君は、凶器の置物を持って秋奈さんの家から出たが、 そのまま持っていると怪しまれてしまう為に、 凶器の置物を自分のスクールバックに入れた、 そしてその鞄を前に背負った、 よく小学生がランドセルを腹前に背負って歩くみたいにね そして、コートを羽織り、 急ぎ歩いて私と距離を保ちつつ、 曲がり角で走り奥の曲がり角まで行き、 茶色のコートを脱ぎ、スクールバックに詰めた、 その証拠にスクールバックが重く見える程膨らんでしまった。 だから、私に鞄を持たせる訳にはいかなかったんだ、 持たせる事で中身を見られてしまう恐れがあったからね。 そして、このスクールバックから茶色の糸と微量の血痕が出た。 これらは、君が中に凶器の置物と茶色のコートを入れた何よりの証拠だよ。」 光樹君は肩を落として、 「そうですよ、僕が父の浮気相手の秋奈さんを殺しました。」と罪を認めた。
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