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客間は亮介氏の書斎を囲む様に配置されていた。
書斎は屋敷の右端にあり
書斎の左隣に唐津先生
書斎の真向かいに弥生、
その左隣に僕の部屋があり
書斎をL字に囲んだ配置だった。
その夜の夕食に食堂に僕達は集まった。
食堂には僕達と亮介氏以外に二人の男女がいた
女性の方は三十代くらいの美人だから
あれが恭華さんだろう
だが、男性の方は誰だろう?
歳は亮介氏と同じく、四十代くらいに見えるが
「唐津先生、これは家内の恭華、
そしてこちらが主治医の矢田先生です。
矢田先生は凄い名医でして
私の糖尿病なんかすっかり治りました。」
「治ったからと言っても油断は禁物です
しっかり食生活や運動に気を付けて頂かないと」
確かに、糖尿病は再発しやすいと聞いた事がある。
すると、恭華さんが
「あら、矢田先生は心配し過ぎですわ
食事なんか1日の献立から食後のコーヒーの砂糖の入れる数まで確認なさって
これでは茜さんに苦労が掛かるわ。」
「いいえ、奥様、私は大丈夫です
これくらいこなせなければメイドなど出来ません。」
メイドの仕事は大変なんだと、
この時思った。
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