プロローグ

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その時だった。 事務所のドアが勢い良く開き レインコートを着た男が弥生さんに襲いかかり 首にナイフを当てた。 「おっと、動くなよ 動くとこいつを刺さないといけなくなるぜ。」 震えた声で弥生さんは言った。 「唐津先生、この男が八木です。 どうか助けて先生。」 「お前が八木か、 その娘をどうする気だ。」 「なーに、こいつに貢いだ金を取り返せればそれでいい、 さぁ、300万返して貰おうか。」 「そんなお金は無いわ、 アクセサリーを売ったお金も使ってしまったし、 もう手元にはいくらも無いのよ。」 「じゃあ、ここで死ぬんだな。 それとも目の前の探偵先生にでも出してもらったらどおだ。」 「先生、私を助けて、 お金は今後、働いてお返します だから、300万を彼に渡して下さい」 弥生さんの目から 流れそうな涙が 緊迫した状況を物語っていた。 「あんたが300万払えば、 俺はこのままこの場から消えて、 彼女に近づく事はしないと約束しよう、 だが、払わなかったらこのまま、 彼女を殺して俺も死んでやる、 さぁ、どうする、探偵先生」 受ければ、彼女は助かる、 だが、断れば彼女は死に、 彼もまた死ぬという さて、どうしたものか。 私は考えながらも 既に一つの答えを出していた。 真相編に続く。
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