第1話~約束~

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『おい!有希!なんで泣いてるんだ?』 『母さんもなにを言ってるの?』 声に気付いていないのか男は少しオーバーアクションで声をかけてみるが無反応。 今置かれている現状に理解出来ないながらも二人に近付く男。 横たえる男の顔を覗きこむ。 自分と同じ顔の寝姿に少し驚きの表情をするが、すぐに状況を自分なりに解釈する。 『寝てるのが俺だとしたら俺は死んだんだなー。有希にも母さんにも俺の声が聞こえてないみたいだし…』 残念そうな、でも肩の荷物が全部降りたというような複雑な表情をして無理矢理納得させていた。
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