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男はもう言葉を失い顔を両手で覆い溢れ出してくる涙を拭っていた。
『私はあなたが不幸になるだけならいいんだけどどうも香奈さんって女が幸せになってるのが気に入らないのよね…』
『?』
その言葉に驚いた男は顔をあげ少女を見る、少女はなにかを嘲笑うかのような笑みを浮かべている。
『なにをするつもりだ?』
『因果応報って奴?普通の恋愛とは違う重たい約束をしたこと、その約束を反古にしたこと、あなたの傷が癒える前に短い期間で恋人を作りあなたを完全に遮断したこと、それに対してあなたが感じた傷を香奈さんにも与えてあげるわ。恋愛の傷は恋愛の傷でね。』
『そんなこと俺は望んでいない!やめてくれ!!もう諦めるからやめてくれ!!!』
『あなたの気持ちはどうでもいいの。私は誰の指図も受けないわ、今あなたの意識は私の手の内にある。またしばらく寝ててちょうだい。』
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