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「……え?」
「俺は、何か思いもよらない事が起きて欲しかった。とにかく、すごい事だったら、何でも良かった。そこに、みけが現れた。俺は、みけと特別な夏を過ごしたい。生活する場所も、俺の家を使ってくれればいい。今ここに住んでいるのは俺だけなんだ。部屋も余ってる。それに、みけは元々地上が見たかったんだろ?だったら、こんな田舎町でいいなら俺がどこにでも案内する。そして、そのなかで、みけの海に対する恐怖も克服しよう。ぁ……でも、みけが嫌ならいいんだ。最後は、みけに任せる。」
「……いいの?そんなにしてくれて。」
「もちろん。」
「………本当に?」
「ああ。」
「………よろしく、お願いします……っ!」
みけの笑顔が、夕日と重なり、まぶしかった。別にまだ、好きになったわけじゃない。でも、なんとなく、安心した。
夏真っ盛り。夕暮れ時に、思いもよらない形で願いのかなってしまった二人が出会った。新たな願いを、叶えるために。
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