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...はあ!
「俺としたことが!何やってんだ...」
男子生徒は、呆れたように顔を歪ませ、机の上から降りた。
「ふっふっふ」
その時、確かに何かの音が耳を突いた。
「...」
悪い予感がしたのか、男子生徒は机の下にそっと身を隠した。
ガラッ
「...!!」
誰かが、教室の教卓側の扉を開けた。
「ハァ、ハァ」
男子生徒は、興奮する吐息では無く、焦燥感から出る呼吸をもたらした。
すると、教室に入ってきた女子生徒らしき人物が男子生徒の隠れている机の前へと足を運んだ。
そして、その机に前屈みになると、その女子生徒は、無表情のまま、髪を掻きあげた。
「な...あ...」
男子生徒は、目を見開き、口から少量涎を垂らし、忽然とした様子で女子生徒を見つめている。
それと同様、女子生徒も男子生徒を見つめていた。
しかし、二人の様子はよってかけ離れており、女子生徒は全く表情を変えず、無表情の仮面を覆っていた。
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