逆転神話

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「二人とも、こんなところに来てまで喧嘩はやめなさい」 声とともにドアが突然開き、背の高い男の人が入って来た。 少し長めのマリンブルーの髪を後ろで一つに縛った、深い藍色の瞳の男の人だ。 今度は二人とも状況がわかってきていたみたいで、それが誰だかすんなりわかったようだ。 「ポセイドン! 先に起きてたのか」 「ええ。二人とも起きなかったので少しこの家の中を調べていました」 「それで、何かわかったのか?」 「まあ、少しは」 そう言って彼は何枚かの写真を取り出した。 そこには髪と目の色は違うが、今の彼ら三人の姿が写っていた。 「ここの家は父親と二人の子供で暮らしていたようです。二人の子供は双子で、今年高校生になったばかりのようですね」 「双子ぉ?」 ゼウスとハデスは声をそろえて叫び、 「ふざけんなよ! 何で俺がこんなやつなんかと……!」 「それはこっちのセリフだ馬鹿ハデス!」 また仲の悪い二人が言い争いになった。 と、その時。 「さっきから喧嘩ばっかりしてるけど、君達自分の状況わかってんの?」 庭につながっている大きな窓がガラリと開き、茶色い柴犬が顔をだした。 「うるせーよ、お前には関係ないだろ!」 「そうそう、犬なんかにわかる問題じゃ……」 (……え?) ゼウスは言いかけてその不自然さに気がついた。 ハデスも同じ事を思ったようで、その柴犬の事をまじまじと見ている。 「……犬?」
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