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「…向いてなかった、か」
男は笑うのをやめ、私の方に視線をズラしてから言葉を続けた。
「今の君はなかなか不幸続きだとは思う。悲観的になるのも無理はない状況だ。が、それはすべての原因が他人にあるとでも言うのか?まさか、自分が悪くないなんて、思ってないよな?」
男が発した言葉のすべてを理解したとき、私の頭に血が登っていくことがわかった。それは沸々と湧き出る怒りだ。
今の私には男の挑発的な言葉たちに、耐えきれなかったのだ。
「さっきから何?どう思おうが私の勝手じゃない…!」
思わず声のボリュームが大きくなってしまう。私だって、頭では理解しているつもりだ。男が言ったことはきっと正しい。正しいからこそ、腹立たしいのだ。
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