《1》はじまり

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私は何も言えずに黙りこくっていた。だいたい失礼にもほどがある。初対面で挨拶すらしてないのに、デリケートな話題を何の遠慮もなく話し出すなんて信じられない。 「…その様子じゃ図星か」 「馬鹿にしたいだけなら放っておいてください。無神経にもほどがあると思いますけど」 イライラしていた。人を小馬鹿にしたような笑い方が私の癇に障ったのだ。早く立ち去ればいいのに、と願いつつ、自分の苛立ちを落ち着かせるために必死で気持ちを落ち着かせていた。 「気に障ったなら失礼。いや、少し暇潰しにと思ってさ」 …暇潰し?コイツはこれで謝ってるつもりなのだろうか。  
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