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開けた道。
そこに黒薔薇達が意識を失って、倒れていた。皆、綺麗に並んで、ではなく、散らばるように倒れている。
気を失っているのも、クルトの転送魔法で到着し、地上に立たされると思いきや、地上から七メートルも離れたとこから落とされたのだ。かつ、慣れない転送移動で体力を奪われ、皆、一時的に意識を失ってしまったようである。
弱い雨が、徐々に痣達の顔や体を濡らしていく。
と、生い茂る森の奥で、狼に似たモンスター。ウルフアギアというモンスターの群れが通っている。ウルフアギアも見た目や名前の通り、肉食だ。大きさも狼と変わらない。人にも襲いかかるが、群れで動き移動を繰り返すので、あまり出会うことも無い。
白銀の毛並みはもちろん、頭には山羊のような二本の角を生やしている。あとは狼と変わらないと言えるだろう。
と、先頭に居たウルフアギアが倒れる痣達に気付いた。足を止め、こちらを見ている。先頭のウルフアギアに釣られるように、他の仲間達もこちらを見始める。
様子を窺うだけ。
運が良いのか、ご飯を食べた後なのか、こちらに近付いて来る様子はない。
暫くして、興味が無くなったのか、先頭のウルフアギアがまた歩き出す。またそれに釣られるように、他の仲間達も歩いて行った。
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