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と、気付いた。その大樹の木の根元は、二股に分かれ、空洞となったその場所に露店商人が敷物の上に鎮座し、少量のアイテムを前に広げていた。
青薔薇を見ているかもしれない、と、そちらへ足を向けた。
「どとートミーの露店にいらとー!!...ん?なんだ珍しい、いつもの村人の奴らじゃないと!ふむ、そこの旅のお方達、未開の森の旅のお供に何か買ってくとー!!」
久しぶりに何処かで聞いたことのある台詞。ぽっちゃり体型。ちょび髭を生やした、トミーという露店商人。
シミーは、黄色。リミーは、赤色。今回のトミーは、緑色の服装だった。
と、今の台詞に違和感を感じた痣達。黒薔薇が代表で口を開く。
「村人?この近くに村があるのか?」
ハッとした顔になるトミー。
「人なんて来たことなかと、つい言っちまったと」
焦っているようだ。
「まずいのか?」
「うぅ…しかもこんな大人数だと......仕方ないと」
ブツブツと独り言のつもりで言っているようだが、普通に聞こえている。なんだか、諦めた様子と思えば、キリッと表情を引き締めた。狐目が痣達を見据える。
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