-第一輪 ............-

7/12
前へ
/12ページ
次へ
 と、気付いた。その大樹の木の根元は、二股に分かれ、空洞となったその場所に露店商人が敷物の上に鎮座し、少量のアイテムを前に広げていた。  青薔薇を見ているかもしれない、と、そちらへ足を向けた。 「どとートミーの露店にいらとー!!...ん?なんだ珍しい、いつもの村人の奴らじゃないと!ふむ、そこの旅のお方達、未開の森の旅のお供に何か買ってくとー!!」  久しぶりに何処かで聞いたことのある台詞。ぽっちゃり体型。ちょび髭を生やした、トミーという露店商人。  シミーは、黄色。リミーは、赤色。今回のトミーは、緑色の服装だった。  と、今の台詞に違和感を感じた痣達。黒薔薇が代表で口を開く。 「村人?この近くに村があるのか?」  ハッとした顔になるトミー。 「人なんて来たことなかと、つい言っちまったと」  焦っているようだ。 「まずいのか?」 「うぅ…しかもこんな大人数だと......仕方ないと」  ブツブツと独り言のつもりで言っているようだが、普通に聞こえている。なんだか、諦めた様子と思えば、キリッと表情を引き締めた。狐目が痣達を見据える。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加