-第一輪 ............-

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  「何故、お前達がここに居るのか知らないとが、此処は、クランクマウンテンから北西へ連なった、二番目に高い山。マコールマウンテンという山の中と。森の木々が深く密集し、ほぼ毎日、霧が発生すると。人は住んでいないと言われている未知の世界と」  痣達は黙って、頷く。語尾の“と”が気になるが、何も言わないでおこう。 「しかし、此処には確かに人が住み存在していると。わたし達、露店商人一家にしか知られていないと。王族すら知らないと」  それが確かなら、何故、ルチルは知っているのか。 「そして、この商売先がこの先にある村人達と。彼らだけがこの山を熟知し、霧の中を自由に歩けると」  顔に力が入る。 「そして、お前達には関係ないだろうが、先程、“悪魔の子”が帰ってきたと!!。私の前を通っていったと!」  狐目が微かに見開かれた。そこに何故か、ギョッとする痣達。 「...ともかく、村に行くというのなら、この踏み鳴らされた道なりに進めば着くと。あのなんか買っていくと?私は嬉しいと」  などど、打って変わって明るい口調になり、軽く営業され、数点買う羽目になった。 「...青い髪の男?...まさか悪魔の子かと?!なんだい、知り合いだったと。早く言うと。なら、早く村へ行ってみると。まぁどうなっているかは知らんとね」  トミーしか喋っていないが、去り際に青薔薇の事を尋ねたら、そう言われた。
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