無塵島殺人事件file2

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その後、荷物検査は無事に終わった。 が、発火の可能性のある物は誰の鞄からも発見されなかった。 「こっちも何も無かったわ。 虫眼鏡ならあったけど…。 流石に夜だし…。」 「こっちも石沢さんの石コレクションの入れ物の中とかなんか隠してそうだったけど…。 中身は石ばかりだしそれぐらいだ…。」 「ほら見ろ! 何も無いじゃないか! とっ…兎に角こんな場所早く出るべきだ!」 「無駄だと思うけどな…。」 「何…?」 「大変です!」 海岸の方から湯沢が走ってくる。 その後ろから二十田が続く。 「なっ…なんだよ? まさか船が!」 「流されていました…。」 「そんな…。」 湯沢の言葉を聞き、へたりと座り込む色部。 「出口は封鎖されたと言うわけです。 大人しくしたらどうですか?」 「こっ…こんな状況で大人しくなんか出来るか!」 「犯人は俺達を閉じ込めた。 この状況で一つ言える事がある。」 「えっ…?」 「まだこの事件は終わってない。」 「そっ…それじゃあまだ人が死ぬって言うのか!?」 「犯人の目的がこれだけなら、繋ぎ止めるなんて事せずに疑われる前に参加者に紛れて島を出てる筈だ。」 「くそっ…なんでこんな目に…。」 「それより湯沢さん、何故あなたは海岸に?」 「湯沢さんは私にもしもの事があったらと思って私だけ逃がそうとしたのよ!」 「はいそうです…。」 「お前! 俺らを置いて!」 「どちらにしろ…船は流れてしまった。 張り合っても船は帰ってきませんよ。」 「わっ…分かってるよ!」
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