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「いきなりどうしたんだよ?」
「警告だよ。
君がもしこれからも探偵を続けるつもりなら…覚えておく事だ。」
「…。」
そうしてる間に、二人は別荘の前に着く。
「おっと…。
着いたか。」
「見る影も無いね。」
「あれ…?
あんな所に倉庫が在ったんだな。」
別荘が在った裏側辺りに、石造りの倉庫が見える。
「普段は別荘で隠れてたんだろう。」
「その横には20個の鉄の箱か。」
「中には何が入ってんだろうな?」
「開けてみよう…。」
哲也が箱を開くと、中には大量の電池が入っていた。
「電池だね。
それも大量の。」
「何年分あんだよこれ…。」
「彼はここで暮らすつもりだったようだし…そう考えればこれでも少ないくらいだろう。」
「だよなぁ。
まぁ、倉庫に入ってみようぜ。」
鍵も無く、すんなりと扉が開く。
「鍵は流石にかかってないか…。
まぁこんな所に必要無いだろうな。」
「ふむ…。」
中に入ると大量の缶詰が棚に並べられていた。
「ここは食糧庫のようだね…。」
「分かるけどさぁ…。
缶詰ばっかりで飽きねぇのかよ…。」
「火を使わなければまともな料理も出来ない。
野菜を植えてサラダって言うのも無さそうだし…。
そう考えればまとめ買いしても長持ちする缶詰めの方が便利なんだろう。」
「本当に徹底してるぜ…。
んー…。
ここにも何か隠してる様子は無さそうだ…。」
「わざわざこんな状況で火事を起こした犯人だ。
見付かれば真っ先に疑われるのに簡単な場所に隠す事も無いだろう。」
「だよなぁ…。
それか持ち物の中の何かを使って作ったんじゃないかとも考えたんだけど…。」
「そんな物があったのかい…?」
「無かった…。
でもなんか見落としてる気がするんだよなぁ…。」
「今日はもう遅い。
それはテントに戻って考えてみたらどうだい?」
「そうだな…。」
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