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「後2分…。」
箸を持ち、お茶をコップに入れ準備は万端。
その状態で竜之介はただその時を待っていた。
目の前のカップラーメン。
お湯を注いでかれこれ3分程。
空腹は限界で、すぐにでも腹に入れたいがじっと待つ。
こう言う時に感じる時間は長い。
「あと1分…。」
箸を握りしめ、その時を待つ。
「よし!
出来た!」
ピリリリ!
いざ蓋を開けようと言う時に、突然の電話。
邪魔されて機嫌も悪いが、渋々電話に出る。
「もしもし…。」
「久しぶりね!
探偵君。」
「どちら様ですか…?」
「あっ、酷い。
私よ、鎌鼬村で会った鷺森よ。」
「その声聞けば分かるよ。
で…?」
「何か機嫌悪い?
まぁ良いや。
来週末ちょっと付き合ってくれない?
お友達も誘って良いから。」
「は?
いきなりなんだよ?」
「実は、無塵島発掘ツアーの取材に行く事になってね。
そこには高価な鉱石があるらしいの。」
「へぇ…それで俺に探せと。」
「人手は多い方が良いし、見つかったらあなたにも分け前あるかもしれないわよ?」
「その鉱石、いくらぐらいするんだよ?」
「そうね、その鉱石を全部売ればあなたの好きな推理小説を大量に買えるどころか、図書館まで作れるぐらいの額よ。
分け前だけでも相当の価値にはなるんじゃないかしら?」
「おっし!
その話し乗った!」
「良い返事ね。人数決まったら連絡して。
その時場所と時間を説明するから。」
「分かった。」
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