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「竜之介、本当に分かったのか?」
「あぁ、まず始めに明らかにしておきたい事がある。」
「明らかにしておきたい事?」
「それは今朝、哲也達が見た時には既に箱は19個しか無かったと言う事だ。」
「そんな馬鹿な…!?」
「そうよ!
私達は確かに…」
「でも全部を見た訳じゃない。
そうだろ?」
「まっ…まぁそうだけど。」
「あの場所にあった箱は20箱だ。
でも見える箱は前側の10箱と、後ろ側の7箱だけだ。」
「まっ…まぁ確かに。」
「だから、後ろ側の一段目をちょっと細工するんだ。」
■■■■■
■ ■ ■ ■
「こんな風にね。」
「あっ…!」
「こうすれば、朝箱を見た人間が自分のアリバイを証明してくれる。
それが犯人の狙いだったんだろう。
今回はたまたまお前らが発見したが、このトリックには運がいる。
犯人がこんな賭けに出たのは、このトリックが苦肉の策だったからだ。」
「苦肉の策?」
「そう。
第一の殺人でこの火元が一切無いであろう場所で火を起こすと言う離れ業をやってのけた犯人だが、その離れ業の正体を暴かれれば、真っ先に自分に疑いがかかると言うデメリットがあった。
だから犯人は、その正体がバレる前に、アリバイを作る方法を考えたんだ。」
「成程…。
それで…?
犯人はどうやって火を?」
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