無塵島殺人事件解決編

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「石だよ。 そうだろ? 石沢さん。」 「…!?」 「あんたがこの事件の真犯人だ。」 「何を言い出すかと思えば…。 石なんかで火を起こせる訳無いだろ? それに俺は睡眠薬で眠らされたんだぞ?」 「あんたは眠らされてなんか居ないよ。 あの時の態度も演技だったんだ。 さっきのトリックはあんたにしか出来ないからね。 俺達が死体に気を取られている隙に、その反対側の場所のあんたは倉庫に行き、例の細工、20個に見える細工を戻して19個に見せたんだ。 あの短時間でもそれだけなら出来る。 大体、箱を落とされた被害者に睡眠薬が入れられているならともかく、関係無いあんたに睡眠薬が当たるのは明らかに不自然だ。 そう考えたら犯人はあんたしか居ない。 そう確信したんだ。」 「だから…どうやって石で…?」 「石コレクターのあんたがまさか火打ち石の事を知らないなんて言わないよな?」 「…!?」 「あっ…私も知ってる。 昔かちかち山って絵本で見た!」 「そうだ。 昨日昔の夢を見てさ。 その時読んでた本がそのかちかち山だったんだ。」 「成程…。 それで夢のお告げと言う訳だね…。」 「そう言う事さ。 まだ言う事はあるかい? 石沢さん。」 「無いさ…。 その通りだよ。 俺はこの島の生き残りなんだ。」 「石沢さんが!?」
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