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「皆様。
ここが無塵島でございます。」
「うはー。」
辺りに見えるのは小さな花と木製の小さな別荘だけ。
その別荘も、島の奥深くにある筈なのにすぐに見渡せる程、この島には何も無い。
「そして、この別荘の向こう側に、鉱石が眠るとされる洞窟があります。」
「へへ…。
それを待って居たんだ。」
さっき文句を言った男が、走り去る。
「ふぅ…。
なんともせっかちなお方だ。
では参りましょうか。」
「あの先々行った人見覚えがあるわ。
確か週刊誌の記者の色部勝木よ。」
「あっ、私も名前聞いた事あります。
由奈がその週刊誌集めてて見せて貰った事あるし…。」
「うん、でもあの人がねぇ。
なんか軽蔑。」
少し残念そうな顔の由奈。
「で、あそこに居るのは石を沢山コレクションしている石沢豪さん。
私も一回そのコレクションを取材した事があるもの。」
「ライバル多いんだな~。
高峰、こりゃ負けてられないな。」
「まぁな。」
「で、あの女の人は確か大手企業の社長の令嬢の二十田真理奈。
で、あっちの年配の人が、社長の秘書の湯沢芳子。
今日はお目付け役って所かしら。」
「流石ジャーナリスト。
随分と調べあげてますね。」
「まぁねー。
そう言う君は何処かで見たと思ったら小城総合病院の院長の息子さんだったかしら…?」
「…どうも。」
「出し抜かれては溜まりませんわ。
湯沢さん。
行きますわよ。」
「かしこまりました。」
彼女の言葉に反応してか、他の参加者達もぞろぞろと洞窟へと向かい始める。
「始まるわよ。
鉱石発掘ツアーが。」
「…。」
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