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静寂を不気味に感じ、言い知れぬ不安を感じはじめる。
本当に行っても大丈夫なのかと。
少年が頭を抱えて不安感と不気味さと脳内で闘いを繰り広げていると、
「悪い。晩飯食べてて遅くなった」
と言いながら、もう一人の少年がようやくやってきた。言葉を掛けられた方は一切気付いていないのだが。
そのまま公園に入ると、
頭を抱えて悩んでいる少年に近づき、話し掛ける。
「おーい。来たぞ!」
その声でやっと反応し、ゆっくりと頭を上げた少年は、目の前に居る少年に随分と冷えた視線を投げかけ、
「遅かったね。待ちくたびれたよ…」
と言った。
それに対し、少年は気まずそうに言葉を返す。
「ごめんごめん。晩飯食べててさ…」
その様子を見た少年は、「良いよ、別に…」と静かに言い、そして胸の内にある不安感を押し退け、言葉を続ける。
「それよりもさ、早く行こうよ。早くしないと夜にちゃうし…」
その何かを含んだ様な物言いに何かを感じ、少年は訝しむ。
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