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夏休みが明けた秋の初め頃。花沢と立ち話をしていた。
「でさ―、カツオ君いつもお姉さんにしかられて悔しくないの?」
「だってテストの点数なんて頑張ってもしかたが無いじゃないか。それよりタマと遊んでいる方が有意義だよ」
「そのうちフネさんにも叱られるんじゃなーい?」
「大丈夫大丈夫。起こらないから」
一ヶ月後の10月。バタバタと廊下を走ってくるカツオ。
「やった~姉さん!ノーベル賞を取ったよ」
「頑張れば以外と出来るじゃない!!」
サザエは喜んだ。
「凄いです」
「えっへん。この家で最も偉い人間になったんだ。今度から何でも言うことを聞いてよね」
「まあ、図々しくてものも言えないわね」
ガラガラと物音。マスオが帰ってきた。
「あら、おかえりなさい。ニュースがあるのよ。この子ノーベル賞取ったんだって」
「ええええぇ″~!?世界で有名な権威ある賞じゃないか」
「学生が取れてしまうなんてよくあることでは無い。カツオは天才じゃよ」
「ありがとう父さん」
「私もビックリでねぇ。今知ったばっかりなんですよ」
「もう取材を受けたのかいカツオ君」
「もちろんだよ。夕日新聞、男性自身、プチレモン、マジテレビ、NHF…まだまだあるんだけどね」
「どんな研究で賞を取ったの?」
「iPS細胞。君達に説明しても理解が難しいだろうね」
「もう気取っちゃって」
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