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サザエ「やっぱりそうだったのね!許さないわ!!!
その日の夜。
「わかったわよ」
「テストの点数?」
「ノーベル賞は実はノベル賞の間違いよ」
「何なのそれ」
ワカメは聞いた。
「ノベルは日本語で小説って意味じゃないかと」
意外な知識を見せるマスオ。
「つまりどういうことでしょう」
「いささか先生の作品の名前を勝手に自分のに書き換えた…」
「そんなエグいことをすると思う?父さん」
「思う」
「やっぱりそうだったのね!許さないわよ!!!!」
「やれやれわかってくれないなんて心の器が小さいんだから」
記者会見。
「最年少ノーベル賞おめでとうございます。素晴らしい」
「いや、それほどでも」
「お家族様は?」
「いっぱいいます」
「ご趣味は?」
「プログラミングを少々」
「成績は?」
「学年トップです」
「頭がいいんですね」
サザエの家。
「調子に乗っちゃってあんな嘘を」
「いいじゃないか。それよりケーキを買ってきたんだカツオ君のために」
一時間前、居酒屋。
「あのさ…」
「アナゴ君どうかしたかい。ずいぶん酔っているじゃないか」
「いきなりですまない最近健康に気を使っているかい?」
「もちろんだよ。診断を1ヶ月に一度受けているからね」
「俺、胃ガンが見つかったんだ」
「…」「何年生きられるかわからんのだ。だから長年趣味で研究してきたiPS細胞に関してあの子引き渡したのは僕だ。生きているうちに―――自分よりも他人の幸せな姿を見る方が好きなんでね」
「う゛゛…」
「ぶるあああああ!泣くな。一家を支えていけよ。一応治療は続けるがな」
花沢不動産。
「雨がよく降るわね」
「そうかな」
「涙みたいだわ…」
fin
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