サザエ「やっぱりそうだったのね!許さないわ!!!

1/1
前へ
/7ページ
次へ

サザエ「やっぱりそうだったのね!許さないわ!!!

その日の夜。 「わかったわよ」 「テストの点数?」 「ノーベル賞は実はノベル賞の間違いよ」 「何なのそれ」 ワカメは聞いた。 「ノベルは日本語で小説って意味じゃないかと」 意外な知識を見せるマスオ。 「つまりどういうことでしょう」 「いささか先生の作品の名前を勝手に自分のに書き換えた…」 「そんなエグいことをすると思う?父さん」 「思う」 「やっぱりそうだったのね!許さないわよ!!!!」 「やれやれわかってくれないなんて心の器が小さいんだから」 記者会見。 「最年少ノーベル賞おめでとうございます。素晴らしい」 「いや、それほどでも」 「お家族様は?」 「いっぱいいます」 「ご趣味は?」 「プログラミングを少々」 「成績は?」 「学年トップです」 「頭がいいんですね」 サザエの家。 「調子に乗っちゃってあんな嘘を」 「いいじゃないか。それよりケーキを買ってきたんだカツオ君のために」 一時間前、居酒屋。 「あのさ…」 「アナゴ君どうかしたかい。ずいぶん酔っているじゃないか」 「いきなりですまない最近健康に気を使っているかい?」 「もちろんだよ。診断を1ヶ月に一度受けているからね」 「俺、胃ガンが見つかったんだ」 「…」「何年生きられるかわからんのだ。だから長年趣味で研究してきたiPS細胞に関してあの子引き渡したのは僕だ。生きているうちに―――自分よりも他人の幸せな姿を見る方が好きなんでね」 「う゛゛…」 「ぶるあああああ!泣くな。一家を支えていけよ。一応治療は続けるがな」 花沢不動産。 「雨がよく降るわね」 「そうかな」 「涙みたいだわ…」 fin
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加