序章 バイバイ、さようなら

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  「もう一緒にいたくないんだ」 「何で?」 「君と一緒にいると、僕は皆にいじめられるから……」 「……」 「ごめんね、僕は君みたいに強くないんだ」 泣きそうな顔で、そいつは言った。 訳が分からない。 強いって、なんだ?強いって、俺が? 意味が、分からない… ただ分かるのは――俺のせいで、こいつが傷ついているのだと言うこと。 それを思うと、心の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられたみたいに、気持ち悪い。 …面倒だ。 だから、関わらないようにしてたのに。 なんで関わったりしたんだ、馬鹿だろ自分。 去っていく背中を見送りながら、思う。 やっぱり間違ってたんだ。 もう友達なんかいらない。 去っていく背中に小さく手を振る。 バイバイ、さようなら―― 今日から俺は、また一人になる。  
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