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◇◇◇
4月某日。
今日は、記念すべき?
転校先、鳳凰(ほうおう)学園への初登校日。
空は晴れているが、正直清々しくも何ともなく。
普通の気分だった。
いや、それは正しくない。
どちらかと言えば、不快な気分。
俺は今、鳳凰学園の前にいるのだが――…
何だ、これは?
馬鹿でかい門を目の前にして、思わず首を傾げた。
こんなに大きい門は初めて見た気がする。
ざっと、3~4メートルって所か。
どうやって開けるんだ?
とかそういうことも勿論思うが、それ以上に馬鹿じゃないだろうかと思う。
こんな所に金を掛けて何の意味が――あぁ、体裁の問題か?
ただ、これをどうやって開けろと言うのか…
じーっと見上げて考える。
自然と眉間にシワが寄ったが、癖のようなものだ。
「おい」
押すのか?引くのか?
「おいってば」
横に開くとか?
「おいって!!」
面倒くさい。
いっそ壊してしま――
「おいっ、おいって、さっきから呼んでるだろ!?」
「……」
…五月蝿い。
後ろでキャンキャン犬みたいに吠えてる奴に溜め息を吐き出す。
尾井?って人も、さっさと返事してやりゃあいいのに。←
周りの迷惑ってのも考えろよ。
そんな事を考えながら、巻き込まれないよう無視を決め込む。
そしたら、グイッと腕を引かれてびっくりした。
腕を引いてる奴を見て、さらにびっくりする。
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