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第1章最終決戦?天才騎士と魔王(仮)
ここはタイアニア王国。この大陸一の国家で、キリア達はこのタイアニアに仕えている。
急ぎ足で廊下を行くキリア。彼はいま、ダルク将軍のいる医務室に向かっている。そんな彼に、衛兵達は道をあけて敬礼をする。
「今回の遠征、ご苦労様です!!」
「ああ。それより、ダルク将軍のご容態はどうなっている?」
「はい。ダルク将軍はどうやら腹部に痛みを訴えているようでして、恐らくは魔術の類いだと思われます」
「魔術…。くっ、魔王め!」
医務室につき、ノックをする。
「失礼します。キリアです。」
「オォ、キリアか、入りなさい」
弱々しい声を聴き、キリアは室内に入る。
「ダルク将軍!」
ベッドの上で、すっかり顔色を悪くして、グッタリとしているダルク将軍がいた。
「キリアよ、そんな顔をするでない。お前は騎士なのだぞ?」
「ダルク将軍…」
戸が開き、女性の医師が入ってくる。
「おや、キリア君か。ちょうどいい、ダルク将軍に薬を飲ますの手伝ってくれないか?将軍、まったく飲んでくれないんだよ…」
薬?
「えぇい、その粉末をワシに近づけるな!」
「ちょ、薬ってどういうことですか?将軍は魔術で腹部を…」
「アァ、あの噂のことかい。アリャね、ただの間違いだよ」
「間違い?でも、将軍は魔王と戦って負傷したと…」
医師は将軍を視線を送る。将軍はなんとも気まずそうな顔をする。
「実はな、ワシは魔王城に行って…」
怪しげな空気漂う魔族領。その中心にそびえ立つ魔王城。その中をダルクは警戒しながら進んでいく。目指すは魔王の間。城内の標識に従って階段を、廊下を進んでいくと、10分もかからずに魔王の間についた。
(なんとも拍子抜けな気もするが、なんとかたどり着いたよう…ん?)
ダルクの視線の先に一人の魔族の男が、石で造られたかまどでピザを焼いている。室内でだ。
「ハァ~、マジで暇だなぁ~。こんなんだったら普通に役所務めのほうがやりがいあっただろ~」
(何だコイツ。何でピザなんだ…。というかここって魔王の間だよな?魔王の間めっちゃ煙いんだけど)
ガラにもなくツッコミを入れてしまうダルク。と、人の気配を感じてか、魔族の男はダルクのほうを見る。
「…。あれ?エーと、今日って誰か来るって言ってたっけかな。…まあいいか。どうですか?ちょうどピザが焼けるとこです」
「ああ、これはかたじけない。ところで、魔王を探しているんだが…」
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