第1章最終決戦?天才騎士と魔王(仮)

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なんとも、緊張感に欠ける話だった。 「あっ、冷める前にどうぞ。カミさんや坊主もピザはオレのしか食べないってくらいウチでは人気なんですよ!」 勧められるままに、ピザを一口食べてみる。 「……。!!」 その瞬間、ダルクの口内にひとつの宇宙が広がっていった。 (な、なんだこれはっ!?いままで味わったことのない食感!絶妙な焼き加減!それにトッピングされている具材も、そのものの旨味があふれ出している…。こんなピザがこの世に存在したのかぁ!!!!) 気づけばダルクは泣いていた。 「おわっ!ど、どうしたんですか!?」 流れる涙を拭い、自称魔王をしっかりと見る。 「ワ、ワシは今猛烈に感動した!こんなにうまいものをつくれる者がいたことに!そして自分自身を恥じた。君のような素晴らしいウデの持ち主を疑っていたことを…」 ダルクの脳内からは、魔王討伐といい本来の目的はすっかり消え、魔王との会話に花を咲かせていた。 「…って、何やってたんですかダルク将軍!?」 「馬鹿者!お前もあの味を口にすればそんなことはいえんぞ!」 一国の将軍ともあろう男のものとは思えない食通発言。
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