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と、酔いで赤くなっていた魔王の顔が一気に青くなっていく。
「た、たいへんだ……!」
「う~ん?どうした?」
缶酎ハイをのどを鳴らして飲むダルク。ハッとしてその缶を取り上げる。
「おい、何する!まだまだ中身残ってるんだぞ!?」
「待って下さい!この酎ハイの消費期限、三年前になってます!!」
「…な、何だと?」
静まり返る魔王の間。と、魔王の手から缶が滑り落ちる。カンカンと渇いた音をたてて、静かに床を転がる。
「「!?」」
不意に、両者は全身を震わせながら腹を押さえる。ギュルルルと音をたて、両者の顔が一瞬にして彫りの深いリアルタッチの顔に変わる。
「魔王!ト、トトトトトイレはどこ、だぁっ!」
「ぐ!ここここっちどぅあぁぁ」
二人は内股になりながら遥かかなたの楽園を目指して進んだ。
「…って、ただ腹こわしただけじゃねぇか!」
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