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「面倒くせぇなァ
でもまいいよ、他ならないお前の頼みだからな。
この片倉さんがストッパーになってやろうじゃないか」
片倉が口をとがらせて言った。
「…いくらでだ」
「は?金?
そんなもん払わせる訳ねぇだろ。
知らないのか、俺は世界一優しい男なんだ」
有り得ない。
こいつがただで俺を手伝うなんて。
顔から察するに、何か裏があるんだろう。
何か読み取れはしないだろうかと片倉の端正な顔を見下ろすが、何も分からない。
……でもまぁ、いい。
優さんに会えればそれでいい。
「そうかじゃあ、よろしく頼む」
地獄に行って面倒を起こさずに済むんなら、後でどんなしっぺ返しが来ても問題ない。
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