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「さえ!!!紗はおるのか!!!」
がなりたてる邪々馬姫。
『姫さまお呼びでしょうか?』
冷静にお答えする女房。
「詩を読めと申したではないか!!」
『失礼いたしました。では、姫さまのために無礼ながら読ませていただきます。』
紗はにっこりと微笑み、詩を読んだ。
邪々馬姫のお名前を暁姫(アキヒメ)
冷静に対処する女房(姫の身の回りの世話をする人)を紗(サエ)と言った。
ふたりは仲が悪いように見えるが、この言動は相手を信じているからこそである。
ふたりは主人と仕えるものという関係だが同時に
お互いを信頼し合う友であった。
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