そなたのいた日々。

2/3
前へ
/57ページ
次へ
  「さえ!!!紗はおるのか!!!」     がなりたてる邪々馬姫。     『姫さまお呼びでしょうか?』     冷静にお答えする女房。     「詩を読めと申したではないか!!」     『失礼いたしました。では、姫さまのために無礼ながら読ませていただきます。』     紗はにっこりと微笑み、詩を読んだ。             邪々馬姫のお名前を暁姫(アキヒメ)   冷静に対処する女房(姫の身の回りの世話をする人)を紗(サエ)と言った。             ふたりは仲が悪いように見えるが、この言動は相手を信じているからこそである。     ふたりは主人と仕えるものという関係だが同時に お互いを信頼し合う友であった。  
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加