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紗が詩を読みおわると
暁姫は感嘆の声をあげた。
「やはり紗の詩は素晴らしいのぅ…!"時の清少"とはよく言ったものじゃ。」
『もったぃなぃお言葉です。わたくしなど清少納言さまの、足元にもおよびませんのに……』
紗は目を伏せ、静かに言った。
………そぅ。
紗は姫の女房であり、頭はよく、聡明で詩もうまぃ。
清少納言にあまりにも似ていることから、みんながいつしか紗を"時の清少"と呼ぶようになったのです。
「それならわらわは中宮定子じゃな。」
そぅ言って笑う暁姫に
『貴方様はもっと立派な方ですよ。』
と、微笑む紗。
お決まりの台詞を繰り返して
微笑み合う。
そんな日々が永久に続くと
ずっと
思うておったのじゃ……
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