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酷い頭痛がする。
吐き気も酷い。
例えるなら二日酔いのような、ぐあんぐあんしたような感じ。
そりゃ、暴走車に撥ねられて坂の上から突き飛ばされりゃ頭痛も吐き気もするわ。
というか、死んでるはずだろ……と思い、ゆっくりと身体を起こしたら自分の部屋だった。
「……は?」
意味がわからない。
じゃなくて、昨日暴走車に撥ねられたはずなのに怪我ひとつない。
頭が潰れるような感触を味わったはずなのに、二日酔いしたかのような気持ち悪さしかない。
「咲良(さくら)! 朝だから起きなさい!」
部屋のドアをノックする喧しい姉の声。
いつもの時間に、目覚まし時計よりも早くに起こしに来る5つ年上の実の姉。
「歌澄(かすみ)姉ちゃん煩いよ」
「わざと煩くしてるの。早くしてくれなきゃ朝ご飯冷めちゃうでしょ? というか、どうしたの咲良……気分悪い?」
私の様子がおかしく見えたのか、聞いてくれる。
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