第一章 別れ

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目の前のコスプレ占い師は、「ここへ座りなさい」と、椅子をイズミへ勧めた。 「いえ、結構です」 勿論断わった。 「この後、君には災難が起こる。それを避ける方法を教えてあげる」 結局客引きのようだ。 「いりません」 その手に乗るかと、イズミは歩き出した。 『災難、災難って!腹立つ!』 イズミが不愉快に思いながら歩いていると、道路の途中で蹴躓(けつまず)いた。 不良がわざと引っ掛かるように足を出していた。 それにイズミがまんまと引っ掛かった。 普通なら軽く避けられるのに、占い師が変な事を言うから、周囲に気を配れなかった。
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