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目の前のコスプレ占い師は、「ここへ座りなさい」と、椅子をイズミへ勧めた。
「いえ、結構です」
勿論断わった。
「この後、君には災難が起こる。それを避ける方法を教えてあげる」
結局客引きのようだ。
「いりません」
その手に乗るかと、イズミは歩き出した。
『災難、災難って!腹立つ!』
イズミが不愉快に思いながら歩いていると、道路の途中で蹴躓(けつまず)いた。
不良がわざと引っ掛かるように足を出していた。
それにイズミがまんまと引っ掛かった。
普通なら軽く避けられるのに、占い師が変な事を言うから、周囲に気を配れなかった。
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