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関取タイプのデブが、仲間を制して威勢よく叫んだ。
「俺がやる!」
こいつはかなりでかい。
この体重で体当たりされたら大ダメージをくらってしまうとイズミは警戒した。
「ウオオオオ―ッ」
ドスンドスンと地響きを立てて、関取が向かってきた。
関取は勢いよく肩を突き出して、タックルを仕掛けた。
「デエイ!」
落ち着いてタイミングを見計らったイズミは、ぶつかる寸前でヒラリと避けた。
一直線に向かってくるので、分かりやすい。
イズミはすかさず関取の後ろに回り、「ソレッ」と、膝の関節の後ろを軽く蹴ったら、そのまま前のめりにバタンッと倒れた。
「トシ!」
仲間が叫んだ。
関取が軽々やられて驚いている。
トシという呼び名の関取は体が重い分、逆に簡単に起き上がれないから、地面の上でもがいている。
「まだやるか?」
イズミは不良達へ言った。
「何だ?こいつ」
不良達はイズミを知らないので、その強さに吃驚した。
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