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別に愛がある訳じゃない
情はあるけど。
ただの
『恋人』
という座についているだけ
でも
初雪の日は
何かが特別な気がして
この日だけ
彼を誘ってみた。
久しぶりに
雪降る夜の街を
2人で歩いた。
舗道には
青白い
イルミネーションが
葉を枯らした街路樹に
巻きついて輝く。
その光に
綿のような雪が照らされて
白くコンクリートに
舞い落ちる。
まだヨコハマは
本格的な冬ではないから
積もることもなく
消えていく。
タメで、私の彼の
敦史(あつし)は
黒いダッフルコートに身を包み
夜の空を見上げていた。
敦史は
『綺麗だね』
とか
『さみー💦』
とつぶやく。
私の返事は
『うん』
空返事。
…ただうなずくだけ。
なんか
今年買った
白いコートを着ていても
2人で寄り添っていても
やっぱりどこか寒かった。
もう
別れた方が
いいのかな……
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