第一章 嫁さん貰いました

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ここはよくあるRPG物に出て来るファンタジーな世界の一番最初に勇者が立ち寄りそうなそんな村。 村の周りは子供でも倒せそうな低レベルのモンスターしか顔を出さず村人はお決まりのセリフしか喋らない、そんな日常を俺は今送っている。 ただ違うのは俺が地球からの転生者という事だ。 名前は神城龍夜、まぁ死ぬ前は日本人のオタクだったんだがそんなハートフルな日常を送る俺を殺した奴が居た、そいつがたまたま神様だったという訳だ。 転生物にありがちな最強の設定!とかハーレム生活!なんかも良かったがなんでも「こちらのミスで殺してしまったのは申し訳なかったがそれはそれ、これはこれ」という訳で特典なしで生まれ変わる事になった。 これなんて無理ゲー・・・。 初めは凄く悩んだがそれならという訳で転生者にありがちな様々なフラグを神様に頼んで無くして貰い変わりに顔を少しカッコ良く、それと将来的に両思いで素敵な嫁さんを貰える事を約束させた。 転生先は幻想世界アルテミス、魔法やモンスターなんかが存在する世界だ。 体力平均魔力も人並み生まれも育ちもただの村人、生まれてから今年で18歳になり神様から「そろそろ嫁さん送るから~♪」と3日前に念話があったのだが俺は今までそれらしいフラグを立てた記憶が全くなく・・・本当に大丈夫なのだろうか?と不安になって来た。 今日も何時もと変わりない日常を過ごす俺は、朝食を食べ終え日課としている読書をする為、数キロ先の王都の図書館へ向かおうと家から出ようとしていた。 「この世界の歴史もあらかた読んだし、次は何を読もうかな・・・」 ただ単に暇潰しの為に本を読み漁っている訳ではない。 自分に与えられた村の仕事はきちんとこなしているしそれなりに今の生活には充実感を得ている。
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