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・・・ん?
何か広場の方が騒がしいな、神様のお陰でフラグは起きない筈だから様子でもこっそり見てみるか?
広場に近づくにつれて村の知り合い数名とローブを着て顔を隠している人物が言い争いをしていた。
ローブを来た奴は声からして女性っぽいが・・・一体何を話しているんだろう?
「だから~、教えてくれよ。君ははただの旅人としてこの村に来たのか勇者として王都から来たのかどっちか分からないと俺のセリフが決まらないんだよ!」
村人の一人、入口に何時も佇む村人Aがローブ姿の女に話し掛けていた。
あいつはラスティ・ボルドーといって幼い頃から一緒に遊び回った俺の親友の一人だ。
この村でのあいつの仕事はRPGで例えるなら主人公が村へ来た際に村の名前を教える役だ。
「私はどちらでもないわ、この村に用があってただ来ただけ。いいから入れなさい!この村に私が探してる奴が居る筈なの!」
・・・誰が居るんだよ。
旅人は滅多に来ないが勇者(笑)なら2、3日前にはもう旅立ってるぞ。
「私はこの村に住むティオ・ブラントって奴に会いに行けってお父様に言われたからそいつを探しに来ただけなの!」
・・・・・・ん?
今、あのローブの女は俺の名前を口にしなかったか?
ティオ・ブラント、この名前は俺がこの世界に生まれ変わった際に親に付けて貰った名だ。
「何だ、ティオの知り合いか?あいつを探してるって・・・あいつがどうかしたの?」
ラスティが聞き返そうとした瞬間そいつの周りから何と言うか、ドス黒い殺気・・・みたいなオーラが吹き出したような気がした。
「・・・・・・認めたくはないけど、私の・・・お父様が・・・。私の・・・・・・だって、言ったの」
最後の方は聞き取りずらかったが雰囲気から察するに只事ではないのだろう。
「は?・・・お父様?ティオが何だって?」
やめろ!ラスティ!お前はそいつのオーラを感じないのか!そいつから今すぐ離れろ!死にたいのか!
そう思った瞬間ローブの女は大声で叫びながらラスティ目掛けて魔法を放って来た!
「お父様は!そいつを私の『婚約者』だと言ったのよ!」
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