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「――ねぇねぇ、ナツメあんた視えるんだってね」
うるさい。
「ねぇ、どんなふうに視えるの!?私の後ろにもいる……?」
やめてよ。
「そーゆうのってやっぱ怖かったりするの?……なんかさぁ、普通の人に視えないものが視えるなんてすごいよねぇ」
何がすごいの。
「どうして黙ってるの?……あれ?もしかして気分悪くしちゃった……?でもさァ、ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃん、お願い!誰にも言わないから!」
そんな事訊かないでよ。
やめて。
やめて。
やめて。
やめて……。
お願いだからそんな目で見ないで。
わたしは、見せ物なんかじゃないし、珍しいものなんかでもないのに。
いっそ、なくなってしまえばいい……。
こんな力。
わたしは、目立たないように、ひっそりと生きていたいだけなのに。
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