プロローグ

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私にこのクセがついてしまった理由は簡単。 ありがちだとは思うが、母が幼いころ亡くなったからだ。 小さかった私にお父さんは 「お母さんはお前の心の中に生きているよ。………そうだ!毎日の出来事をお母さんに報告してやれ。きっと喜ぶぞ!!」 と言われ、私は毎日仏壇の前で今日の出来事を話していた。 しかし、ある日 「毎日の出来事を話すのはいいが、毎日毎日するのは大変だろう?心の中で、いいんだ。 なんせ、お母さんはお前の心の中にいるんだから。」 とお父さんに言われ、またしても幼かった私はバカみたいにその言葉を信じ、心の中でお母さんと話すことにした。 数年後、私はお母さんが私の心の中でも、天国でもなくもうどこにもいないことにきづく。 まあ、当たり前のことだと、思う。 小学生の高学年にもなれば、そんなメンヘルなことを信じることができなくなる。 ………例外として私の幼馴染は信じていたが。 そして、小学生の高学年の頭脳を用いてわかったことがある。 お父さんが心の中でにしろと言った理由だ。 …きっと、お父さんは気持ち悪かったんだ。 お母さんっ子だった私は今思えば異常なほど仏壇の前でいるはずのないお母さんに話しかけていたから。 お父さんは、私に注意する時口調は優しかったがきっと目は恐ろしいほど冷えきっていたと思う。小さい私は気づかなかったが… ともかく、その頃のせいでお母さんがいないと気づいた後も心の中で色々つぶやいてしまうのはくせなのである。 決して、ビョーキでも厨二病でもない。 「茅世?起きたの?」 おっと、また自分の世界にひたってた。 「起きたよ。…廻月。」 「おはよう。また昨日もゲームしてたの?ちゃんと寝ないと体に悪いよ?」 …………お前は私のお母さんか? 「えー茅世のお母さんにはあんまりにてないよ?」 「そういう意味じゃない。言動が世の中にいる母という職業っぽいという意味。てゆーか、心を読むな。」
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