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投げ捨てられたバナナ（らしきもの）は、湖の中へ音を立て飛び込んだ。
食べ物を粗末にするのは忍びないが、苦くて辛いとかマジ無理です。
『ニャーーーッ！！』
しかし、バナナを追って、でっかい猫が嬉しそうに走り出した。
猫科の動物って、そんな習性あったっけ？
「待て待て待て！！」
俺の走力で追いつけるはずも無く、でっかい猫――ポチでいいや。名前。
ポチはダイナミックな飛び込みで湖へ。
――泳げるのか？
いや、泳げるから飛び込んだんだよな。
『ガボボボボッ……』
「泳げんのかーい！！！」
――何なの？ 馬鹿なの？
自業自得だとは思うが、このままだとポチが溺れてしまう。
助けて貰った以上、それを返す義務がある。
「ポチィィィィッ！！」
勢いをつけて湖へ飛び込んだ。
そして気づく。
「俺も泳げなかった……ガボボボボッ……」
ペットって飼い主に似るっていうよね。
本当――実感したわ。
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