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俺の首根っこを軽く噛み、勢いよく泳ぎだしたポチは、難なくレスキューを終えた。
「ゴホッゴホッ……」
咳き込む俺を心配そうに見つめるポチ。
潤んだ瞳が可愛らしい。
「ありがとな。ポチ――」
『グルルルルルルッ!!』
「ひいっ――」
急にポチの様子が変わる。
まるで敵を見つけたような、そんな殺意の宿る瞳。
その瞳が見つめる先に、一人の少女が立っていた。
背負った巨大なハルバートを手に、尋常では無い膂力で地を蹴る。
あっという間に姿を消し、気づいた時にはポチの真後ろに居た。
「ポチッ!?」
俺が叫ぶよりも早く、ポチは軽やかに距離を取り、少女を鋭く睨みつけていた。
目の前で繰り広げられる規格外の戦い。
というか、速すぎて目で追えないという。
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