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俺の謝罪が功をそうしたのか、毒気を抜かれたようにため息を吐く少女。
ハルバートを背負い直し、ポチに目を向ける。
「――あれがペット?」
「はい。ペットのポチです」
「ポチってネーミングセンスからツッコむべきかな?」
「――そこは触れないで下さい」
やはり安直過ぎた様だ。
でもさ、突然思いつく名前なんてそんなもんだよね。
改めて見た少女は、成長を待ち侘びている体型で、大きな瞳は髪色と同じく、澄み渡った薄青色。
大凡砂漠には似つかわしくない彼女は、俺に背を向け――その場を去ろうとした。
このまま行かせてしまうと、何も分からないまま終わってしまう。
というか、ぼっちは寂しいので御免こうむりたい。
「ちょ……待って下さい!」
「――何?」
「ここって……何処ですかね?」
「は?」
空気が凍り付いた。
彼女の視線は「何言っちゃってんのコイツ? てゆーか超イケメンだし結婚してくれないかな!?」と、如実に語っていた。
まあ、中盤以降は俺の妄想と言うか願望なのだが。
そんなこんなで、気づいたらここに倒れていて、此処が何処かも分からない。
ポチが猫なのか虎なのかも分からない。
そして、あのバナナが糞不味かった事を説明した。
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