砂漠に落ちた少年

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 段々と不審者を見る様な目つきになってきたミレイア。 「――ていうか、人間じゃなかったり?」 「なっ――」  あんまりドゥ……  思いっきり落ち込んだ俺を見て、慌てて否定したミレイアは、平謝りを繰り返しながら提案した。 「ごめんごめん。冗談だからさ? ね? 行く宛が無いの? うちに来る?」 ――うち? 女性の家? ガールズハウス? OH。。。 「YES! と言いたいのですが、ポチも連れてっていいですか?」 「それは――」  俺の言葉に渋い顔をしたミレイアは、口を噤んでポチに目を向けた。 ――まさか…… 「猫アレルギー?」 「違うよ!! そういう問題じゃないよ!?」  違ったか。 「ビャッコは魔物だよ? 本当に何も知らないの?」  魔物って……ファンタジーで良く出てくるアレ? もしや、油断させておきながら俺を食べるという――そんな極悪非道な考えをポチは抱いているのだろうか。 「ポチ……恐ろしい子っ……」 『ニャァ?』  可愛らしく首を傾げたポチ。 うん。魔物でもいいや。 「やっぱりカワウィーーー!!」  抱き着いて一撫ですると、ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。
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