砂漠に落ちた少年

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 風を切る感覚―― ポチの背に顔を埋めていた俺は、涙を拭いて顔を上げる。 「――もう大丈夫じゃけぇ……」  何故か広島弁風になったのはさて置き、ポチはくそ暑い砂漠を駆けていた。 『ニャァ!』  俺が顔を上げた事が嬉しかったのか、ポチは可愛らしく鳴く。 それにしても、突如非現実に迷い込んだ俺は、どうすればいいのだろうか。  先程宣言した通り、”イケメン撲滅活動”に精を出せばいいのか―― 「ポチ。とりあえず……腹減った」  うん。飯食ってから考えよう。 『ニャ? ニャニャァ! ニャア! ニャニャン!』  何かを伝えたいのか? 俺なりに翻訳してみるか…… 「なになに……『モリト様はスーパーイケメンだから、あのビッチの事なんて忘れて、幼女と微乳の世界でハーレムを作りつつ、世界を股にかける海賊王として君臨しながら、俺の航海士を泣かすなよ等と叫び、最終的にはビッグパピィとして10男7女の家庭を築く』……そう言いたいのか?」 『……ハァ』  ため息吐かれた。
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