砂漠に落ちた少年

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 まさか飼い猫にため息を吐かれるとは思わなんだよ。 「ポチ……お前……」 『……ハァ』 「ポチ?」 『……ハァ』  ため息しか吐いてくれない。 「ポチィィィィィ! 冗談だからさぁぁぁ! 怒らないでよぉぉぉ! ごめんよぉぉぉぉ! 俺イケメン」 『ニャア”?』  急停止したポチは、背中に乗っていた俺をダイナミックに振り落とした。 「痛っっっっっ!? 口の中に砂が……ペッペッ……」 『…………』  無表情で冷たい視線を送るポチは、深々とため息を吐く。 猫のくせに……これは躾が必要だな。 「おい! ポチ!」 『ニャァ”ン!?』 「――すいませんっしたーーっ!!」  誠心誠意土下座。 え? 躾けないのかって?  バッカヤロウ!  ポチのメンチビームは極道の親分レベルなんだぞ!
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