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そんなこんなで許してくれたポチは、俺を再び背中に乗せ砂漠を直走る。
次第に景色が移り変わり、砂漠を抜けた先の森へと入った。
「漸く砂地獄を抜けたか……」
ホッと一息つき、木陰で休もうとポチに提案。
『ニャッ!』
そう短く答えたポチは、一際大きな樹木の横に転がり、気持ちよさそうにゴロゴロし始めた。
俺も木に背中を預け、リラックスしてポチをぼんやりと眺める。
――可愛いなぁ……
虎っぽい猫としか言いようのないポチを見て、何だかほんわかとしてきた。
それによるものなのか、やけに眠くなってきた俺は、ポチを呼び枕代わりにする。
もふもふとした心地よい毛皮を感じながら、何時の間にやら眠ってしまった。
「ポチ……お休み」
『ニャー……』
ほのかに涼しい風が頬を靡き、木漏れ日が辺りへ射し込む。
見上げれば覆いかぶさった木の枝たちが、踊る様に風へ身を預け、ざわざわと揺れていた。
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